Story behind the development 開発ストーリー

開発の経緯

開発と効果試験

熊一目散は2022年から開発を開始し、酪農学園大学環境共生学類 佐藤教授と開発を進めてきました。
本製品は、十勝サホロリゾート ベア・マウンテンでの実証試験の結果、ヒグマに対して十分な忌避効果があることが確認されました。
本製品の開発にご協力いただきました酪農学園大学 佐藤教授および十勝サホロリゾートベア・マウンテンのスタッフの方々、ヒグマの皆様に深く感謝申し上げます。

佐藤喜和教授

<略歴>
北海道大学農学部応用動物学教室卒業、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、日本大学生物資源科学部などを経て2014年から現職。フィールドワークを中心としたヒグマの生態調査を専門とするが、クマに向き合うだけでなく、対策に当たる自治体職員や捕獲技術者、農業被害に悩む農家、都市住民などさまざまな立場の人の声に耳を傾け、クマによる被害を減らすための調査、研究も行っている。近年は大都市の近くに暮らす「アーバン・ベア」の研究にも取り組むほか、環境省クマ類保護管理検討会委員、北海道ヒグマ保護管理検討会座長、知床世界自然遺産地域科学委員会ヒグマWG座長、さっぽろヒグマ基本計画推進協議会委員などを務め、今転換期を迎えているヒグマと人間との関係を踏まえ、軋轢を低下させるための対策に取り組んでいる。著書に「アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う」(東京大学出版会)ほか。
また生息数が20数頭と地域的な絶滅の危機にある四国のツキノワグマの保護活動にも参加している。著書に「アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う」(東京大学出版会)ほか。

佐藤喜和教授のからのコメント

近年、本州のツキノワグマや北海道のヒグマが市街地に出没する機会が増え、また森林内だけでなく人の生活圏の中でもクマ類と遭遇して事故にあう事例が増加しています。人身事故を防ぐためにはクマ類と遭遇しないようにすることが最も重要ですが、遭遇時に事故を防ぐためには、クマ撃退用のスプレー(熊スプレー)の使用が有効です。ただし、森の中を歩いていても熊と遭遇することはほとんどないので、これまで市販されてきた高価な熊スプレーを購入するのをためらう方もいらっしゃいました。今回開発された国産クマスプレー「熊一目散」は、従来製品と同等の効果を持ちながら値段は半分以下です。たまに森林に出かける人や熊のすむ森の近くに暮らす方々にも、もしものために準備していただけると思います。この製品で熊との遭遇対策が進み、人身被害が減少することを願っています。

写真提供/二神 慎之介

写真家。 会社員として広告記事等のライター・ディレクターとしての経験を積んだ後、独立。ヒグマや漁師など、北海道の野生動物や自然に関わって生きる人々を題材に撮影活動を続ける。
現在は東京在住。ツキノワグマ等、本州の動物撮影にも取り組んでいる。

Foxfire フィールドスタッフ / thinkTANKphoto JAPAN アンバサダーフォトグラファー。

著書
~森と川、山と海~ ヒグマの旅 (写真絵本 / 文一総合出版)
うまれたよ! サケ (写真絵本 / 岩崎書店)

十勝サホロリゾート ベア・マウンテン

Photo by 十勝サホロリゾート ベア・マウンテン

「より自然に近い環境の中でヒグマの生態を観察し、よりヒグマを知っていただく為「ベア・マウンテン」は誕生しました。木、水、笹薮など自然と同じ環境で暮らすヒグマたちの行動やしぐさ、存在感を間近で感じることができます。」