冬の北海道で考えるヒグマ対策とクマスプレーの備え

1月に入り大寒波の影響で私の住む道南は北海道の中でも比較的温暖な地域であるにも関わらずマイナス10度を下回る気温が続き、雪の降り方も波があり吹雪や地吹雪で見通しがきかないこともあるので出歩かない日々が続いています。
一日に数回雪かきをすることもあるのですが、これがなかなかの重労働でオフシーズンの体力づくりにはもってこいではありますが、春がとても恋しい季節です。
さて、今回はいつもの冬のフィールドワークについて少しお話して行こうと思います。

私は1月2月は釣りは控えめにして、野生動物の観察をしに散策しています。道南には大沼国定公園をはじめ、散策しながら野生動物を観察できる場所がいくつかあります。
近年はそういった場所にもヒグマが出没しているため冬場でも雪が積もったからといって安心せず、常に注意はしています。マイナス気温になるため出来るだけ保温をする工夫をしながらクマスプレーを携行しています。釣り以外のタイミングでもクマスプレーの冬場の携行方法について、保温ケースに入れたり、胸元に装備してジャケットの中に入れたりいろいろ試行錯誤をしています。

冬のオフシーズンに行う野生動物の観察散策

冬場の野生動物の観察はちょっとした山道を歩いたり、雪の中を歩くことが多く雪景色の中を散策するので夏場よりもある意味見通しが効きますが、体力の消耗が激しく突然吹雪になって周りが見えなくなった経験もあるので天候や風には注意しながら散策しています。釣りで使用している偏光グラスや防寒はこういう時にとても役立ちます。
あくまで趣味の範囲での野生動物の観察ですが、カメラで記録用の写真を撮り動物を見かけた時は地図にピンをおいて後日また観察に行ってみたりしています。

キタキツネは自宅付近でもよく見かけるのですが、観光地で見かけるキツネは人に近寄ってくることが多く、私は生まれも育ちも北海道なので幼い頃からエキノコックスについて教えられて育ってきたのであまりに距離が近くなると離れるようにしています。可愛らしい動物ですが、近年は餌付けなどによる問題も出てきています。疥癬に感染したと思われるキツネを見かけることもあるので野生動物への餌付けは絶対にやめるべきだと私は思います。エゾシカは北海道の他の地域よりも少ない印象ですが、川でも足跡をよく見かけたり、国道でエゾシカの飛び出しも増えてきた印象です。

観察と記録から感じ取る、その年ごとの自然の変化

そして私の冬場の散策の一番の楽しみは野鳥を観察することで、道南ではオジロワシやオオワシなどを見かけることはゼロではありませんがなかなか難しく、個体数も少ないので、昨年は野鳥を見るためだけにはるばる道東まで遠征してきました。
道東には敵いませんが、ハクチョウ、カモ類、天然記念物クマゲラを含むキツツキ類、シマエナガ、運が良ければ樹洞に潜むフクロウ、稀に猛禽類、野鳥以外だとエゾモモンガにも逢える可能性もあります。耳をすまして野鳥の声を聴きながら雪の中を歩き声の主を探して歩くのが楽しくてなりません。
シマエナガなど人気のある鳥は案外身近にいるので、鳴き声を覚えると見つけやすくなると思いますが、彼らは動きが早いので素人の私が記録写真を撮るといつもブレブレになってしまいます。

こうやって冬場の状況を見て、自分なりに今年は数が少ないかな?とかちょっと季節がずれているかも?とか、今年は何を食べているのだろうか?など、その年ごとの変化を追うようにしています。私は釣りをしていく上で周りにある環境を意識するとしないとで差が出る事があるかもしれないと思うので、楽しく散策しながら自分なりの記録を残しています。

冬でも「絶対安全」はないという意識

今あるこの自然環境は当たり前ではないと私は考えていて、毎年変化をしていると思っています。野生動物の動き、雪の量、新芽の季節の状況など実際にはもっと細かく見ているところはたくさんありますが、しっかりと観察することでもしかしたら自分を守る事にもつながることがあるのではないかと思っています。

そして、これだけ寒くても今年の1月21日に道南の上ノ国町ではヒグマが出没し、駆除されています。「いつもは大丈夫だった、冬眠しているはずなのに」等いろいろ思われる方もいるかも知れませんが、「絶対」とか「大丈夫」ということはありません。
どうか無理をせず、冬でも頭の片隅に「もしもの状況はあり得る」という事をおいて冬場のアウトドアをしていただければと思います。

FIELD NOTE

  • 冬の散策では野生動物の動きや数の変化を意識
  • 吹雪や視界不良時は無理をせず慎重に行動
  • 冬場でもクマスプレーを携行し低温対策を意識